ひそかに行うと吉 | 青パパの無限増殖ver.187

ひそかに行うと吉

旅行から一ヶ月あまりの時を経て、SちゃんMちゃんと待ち合わせ、東京大神宮へ。秋の気配が道の端から漂うのを眼に留めつつ、なだらかな坂を登ると、左手に漆黒の鳥居が。
隣の喫茶店で催されていた朗読会の様子を横目に、足を踏み入れようとした瞬間。旅行中、Sちゃんが物まねを交えながら話していたYさんとその彼氏が現れ。その人となりを反復して聞いていたせいか、初めて会った気がまるでしない。
大安吉日のその日、神式結婚式が執り行われる様子を眺めた後。縁結びのお願いをする皆さんと別れて、商売繁盛を鳥居の傍に建つ祠で祈願。境内に入って敷石を踏み締める音の響きに驚き。和やかに談笑する結婚式出席者、絵馬や願い文をしたためる妙齢の女性の姿。しばらく列んでもう一度お参りをして「普通」のおみくじを。「縁結び」の神社で場違いな気もしましたが。
大吉でほっと一安心、商売は「ひそかに行うと吉」の言葉を頭に刻む。待ち人は「来ます」、恋愛は「他人の言動に惑わされるな」、何事も焦らず、意思を持って来るべき流れに与するように、と。

山口 輝臣
明治神宮の出現