理想的な解説とは | 青パパの無限増殖ver.187

理想的な解説とは

かつて映画館へ行くと必ずパンフレット、次回公開される映画のチラシを集める。それは数ある時間の中で「映画館で映画を観る」時間が「TSUTAYAで借りたビデオを見る」時間より、「特別」だと感じていたから。幼なじみのO君も同じことをしていたような。
たまの休みや仕事の合間を縫ってしか映画を観れない現在は後者であれ「特別」な時間に属する。少し寂しい…最近の映画と大学時代印象に残った映画を交互に。映画への愛が薄れつつあるのか。
松尾スズキ監督「
角川エンタテインメント
恋の門 スペシャル・エディション (初回限定版)
」では、監督及び出演者の解説を聴きながら見るモードが。
シーンごとに撮影の進行状況、雰囲気、シナリオ、演出との関係等が語られる。トリュフォーの「アメリカの夜」のように、ファインダーの向こうから新たな視点があるわけではなく、編集されたフィルムに対しての感想戦。淡々とした口調で時折、沈黙、しばしば乾いた笑いが漏れる。
気恥ずかしさを包含した映画への愛?酒井若菜が可愛く見えるのは錯覚?監督愛なのかは謎。
活字の解説だけを頼りにするより、たまにはフィルムの隙間からこぼれる囁きに耳を傾けるのも、愛を取り戻すリハビリ。