真の侵略者は? | 青パパの無限増殖ver.187

真の侵略者は?

ワーナー・ホーム・ビデオ
マーズ・アタック!

「新作のDVD観る?」
閉店間際、夜食を摂りに訪れたオーナーの旦那さんに送ってもらう車中。新しもの好きだから…
「宇宙戦争?」
前夜、ベトナムで観た「トップガン」の話をしたばかり。ヴァル・キルマーの若さと初々しさ(トム・クルーズも)に驚いたなんて。
スピルバーグとトム・クルーズ、二人の名前ばかりが先行している印象を拭えないまま、画面を見つめる。長い間地下に潜んでいた「宇宙」からの侵略者は地球人の生活を容赦なく破壊し、その命を奪う。一方的な攻撃に地球人はなすすべもなく、混乱し、逃げ惑うのみ。「戦争」ではなく「侵略」では?とにかく家族だけは守ろうとするトム・クルーズの中に昨今、世界で繰り返される紛争や内乱への自戒を込めたメタファーが見出せたらいいのに。
致命的な編集のミスで構成された映画を観てしまったような気まずさ。一抹のユーモアを交える余裕すらない映画に5年前のバンコクで「マーズ・アタック!」を繰り返し、観た記憶が甦り。弛緩する日常の緩慢さを笑い飛ばせる逞しさこそが「娯楽」の要素では?
「シザー・ハンズ」のキャスティングでティム・バートンは最初、トム・クルーズを頭に描いたなんて、ややシニカル?