掌のスクリーン | 青パパの無限増殖ver.187

掌のスクリーン

澄み切った紺碧の空、砂塵の舞う丘、しなやかな意思を放つ横顔、友人の掌にあるマッチが気になってしかたない。観る前から次の予定、ヴィム・ヴェンダースが生きていてよかったなんて言ってるようでは。帰国した頃、居候していた先のO君の言葉を鵜呑みにしてはや四年…朝日新聞のインタビューで存命を確認。
誕生日が同じ奇縁からのめり込むようにビデオやLDを集めた大学時代の情熱の一欠けらも現在の自分に投げつけたい。
一席だけ完全に柱の陰で銀幕が隠れてしまうミニシアターで見た「リスボンストーリー」以来の映画館でヴェンダース。流れは「エンド・オブ・バイオレンス」を汲んでいるようですが。前知識で頭でっかちになって視野を狭めてはいけないと。ただ、無条件に受容したり、闇雲に批判する無責任さは断固として拒否。客観性を堅持しつつ、分析、批評をする。高みから見下ろさず、窪みから見上げず。地平より天使の眼差し。

ラインホルト ラオ, Reinhold Rauh, 瀬川 裕司, 新野 守広
ヴィム・ヴェンダース