石畳に降り注ぐ柔らかな光 | 青パパの無限増殖ver.187

石畳に降り注ぐ柔らかな光

記憶の曖昧さ、思い込みの危うさ、刷り込みの恐ろしさについて、繰り返し言及するのは。日々、脳細胞の活性化、色褪せ、細部が抜け落ちるアルバムへの危惧、緩やかな後退への対抗意識から。
「何故、恋人同士は時に童心に帰り、日常を振り返り、哲学的に語らうのか。ウィーンを舞台に人生の旅路半ばの二人は、心の距離を縮めていく。十年経って改めて見て「青春」映画そのものなのだと気づいて切ない思いに浸る。」
十年ぶりに見た「ビフォアサンライズ」のレビューは明瞭な証拠として。
ここで真ん中から削除の線を引き、意味を変えようと試みれば。大江健三郎「懐かしい年への手紙」の傲慢さ不遜さ。記憶は常に再生し得る稀有な意識の流れ。

大江 健三郎
懐かしい年への手紙